2018/06/21

スタントマン/ウーマンの祭典【世界スタント賞】の会場や賞の種類を詳しく解説

世界スタント賞とは?

こんにちは!橘 右京(たちばな うきょう)です。

毎年映画の都ロサンゼルスで開催されている、世界スタント賞をご存知ですか。

優れたスタントパフォーマーに贈られる賞で、アカデミー賞以上に価値がある賞だともいわれています。

今回はそんな世界スタント賞について今回はご紹介します。

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世界スタント賞(Taurus World Stunt Awards)とは?

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CG技術の進歩で危険なスタントをこなす必要が減ってきた昨今ですが、やはり迫力のあるシーンは生身の人間が演じなければいけません。

しかし、スタントアクションは危険が多く撮影中に命を落とすこともあります。

シーンによっては覆面姿や後ろ姿しか映らないことも多いスタントパフォーマーですが、彼らの命懸けのアクションアクトが映画を大いに盛り上げてくれていますよね。

そんなスタントパフォーマーを称える世界スタント賞の歴史や、選出方法などについて詳しくご紹介していきます。

レッド・ブル創始者によって設立された賞

世界スタント賞の正式名称であるTaurus World Stunt Awardsからも分かるように、この賞はオーストリアを代表するレッド・ブル・エナジー・ドリンク社の創立者であるディートリヒ・マテシッツさんによって設立されました。

設立後もレッド・ブル・エナジー・ドリンク社がスポンサーとして世界中のスタントパフォーマーを支持しており、式典やトロフィーにはレッド・ブルのシンボルである牡牛座の赤い牛があしらわれています。

2000年から毎年LAで開催されている

アカデミー賞授賞式はその年よって中止されこともありますが、世界スタント賞だけは毎年欠かさず映画の都ハリウッドで開催されています。

このことからも映画業界の人がどれぐらいこの賞を重視しているのかが分かりますよね。

ノミネートされたパフォーマーの映画はロサンゼルス内の映画館で上映され、そこで最終的に審査が行われます。

世界スタントアカデミー会員による投票制

世界スタント賞は、同アカデミー会員の投票によって決定されていきます。

会員であれば公式HPから投票することができるようになっており、審査プロセス等も確認することができるようになっています。

資格があれば誰でもアカデミー会員になれる

世界スタントアカデミーの会員になるには、認定されたスタント団体に所属しているか、世界スタント賞の諮問機関であるブルーリボン委員が定めた条件を満たす必要があります。

条件さえ満たしていれば無料で登録することが可能で、全てのメンバーに投票権が与えられます。

条件を満たしているかどうかの審査はブリーリボン委員会が行っています。

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世界スタント賞の種類は?

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ひとくちにスタントいっても様々な種類のものがありますので、賞もそれに合わせて分類されています。

各賞は近年再分類され、賞の定義の幅も広がっています。

どんなパフォーマンスを対象にしている賞なのか少し分かりづらい部分もありますので、2015年にノミネートされたパフォーマンスを例にご紹介していきます。

BEST FIGHT

ボクシングやレスリング、武道などありとあらゆるファイトシーンを演じたスタントパフォーマーに贈られます。

2015年ノミネート作品

300:帝国の進撃

バン・バン(原題)

キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー

ジョン・ウィック

各作品のノミネートシーンはこちら▼

受賞したのは「ジョン・ウィック」で銃・ナイフ・格闘と様々なアクションがバランスよく、美しくミックされていることが高く評価されました。

このシーンに携わった俳優5人が受賞しました。

BEST HIGH WORK

ありとあらゆる種類のスタント向けに贈られる賞で、その内容はシャンプや落下、ダイビングなど幅広く設定されています。

見応えと作品の流れを大きく左右する内容であったり、専門家からみて難易度の高いスタントが選ばれます。

2015年のノミネート作品

22ジャンプストリート

エクスペンダブルズ3

Kick

トランスフォーマー/ロストエイジ

各作品のノミネートシーンはこちら▼

受賞は「22ジャンプストリート」で長時間ヘリコプターに吊るされたうえに、一気に落下するという圧巻のシーンでした。

BEST STUNT RIGGING

リギングとは俳優に吊り具を装着して引っ張ったり、吊るしたりする技術のことで、香港映画の”ワイヤー・アクション”に代表されるものです。

ワイヤー・アクションはジャンプや宙返りなどをサポートするだけだと思われがちですが、今からご紹介するノミネート作品にもみられるように、車から扉ごと俳優たちを引っ張り出すようなアクションにもたくさん使われます。

2015年のノミネート作品

22ジャンプストリート

キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー

Kick

X-MEN: フューチャー&パスト

各作品のノミネートシーンはこちら▼

ちなみに「X-MEN: フューチャー&パスト」の該当シーンは撃たれる役の皆さんがノミネートされてますからね。

受賞は「キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー」でした。車から外に吹っ飛んだり、車を横転させたり、俳優3人を外に引っ張り出したりとアクションの連続であるにも関わらず、綺麗にまとまっています。

BEST WORK WITH A VEHICLE

以前はカースタントというくくりでしたが、近年は車以外の乗り物スタントも多いため、乗り物という大枠で選定されるようになった部門です。

2015年のノミネート作品

バン・バン(原題)

キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー

ニード・フォー・スピード

ナイトクローラー

アメイジング・スパイダーマン2

各作品のノミネートシーンはこちら▼

受賞は「ニード・フォー・スピード」。

同名ゲームの実写化だったこの作品は、走っているシーンももちろんですが衝突シーンもピカイチでした。

BEST SPECIALITY STUNT

どのカテゴリーにも含まれないシーンのための部門で、動物を使ったアクション、自転車やパラグライダーなどを含みます。

2015年のノミネート作品

バン・バン(原題)

ジム・キャリーはMr.ダマー

フューリー

ニード・フォー・スピード

ポンペイ

各作品のノミネートシーンはこちら▼

受賞は「フューリー」。

戦車内で燃えたまま外に飛び出し、最後は頭を撃つというシーンですが、その間ずっと火をつけたままという圧巻のシーンです。

BEST OVERALL STUNT BY A STUNT WOMAN

名称のとおり、女性が演じたスタントに贈られるシーンです。ジャンルの指定はなく女性であればノミネート対象になります。

2015年のノミネート作品

バン・バン(原題)

ニード・フォー・スピード

ポンペイ

サクラメント 死の楽園

X-MEN: フューチャー&パスト

各作品のノミネートシーンはこちら▼

受賞は「X-MEN: フューチャー&パスト」です。

クローズアップショット以外は全てスタントの女性が演じたシーンで女性ならではの美しい動きと、力強さが際立つアクションシーンになっています。

HARDEST HIT

名称の通り、演技とはいえ最も激しい打撃を受けたシーンを演じたパフォーマーに贈られます。

もちろん、ただ激しければいいというわけではなく、厳格な安全基準を守ったシーンのみであるということは言うまでもありません。

2015年のノミネート作品

22ジャンプストリート

300:帝国の進撃

キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー

ヘラクレス

X-MEN: フューチャー&パスト

各作品のノミネートシーンはこちら▼

どれも無事では済まないであろうシーンばかりですが、受賞したのは「キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー」のスタントパフォーマーでした。

ノミネートされたシーンですが、スタントマンは安全装置やハーネスをつけていませんので、リアルに引き飛ばされているんですが、ガラスは映画用の安全ガラスが使われているので、怪我などは一切なかったということです。

BEST ACTION IN A FOREIGN FILM

アメリカ以外の配給会社による映画のアクションシーンに贈られます。

2015年のノミネート作品(原題表記)

Alarm fur Cobra 11 – Die dunkle Seite (ドイツ)

Pi Zi Ying Xiong 2 (中国)

Torrente 5 (スペイン)

Urban Games (中国)

資料が少なく具体的なシーンはご紹介できませんが、香港映画がランクインしているのはさすがですよね。

この年はドイツの映画のシーンを演じたパフォーマーが受賞をしました。

BEST STUNT COORDINATOR AND/OR 2ND UNIT DIRECTOR

日本では”アクション監督”と呼ばれるポジションの方、すなわちスタントを構成して指示をするコーディネーターやディレクターに贈られる賞です。

現場の安全も、迫力のあるシーンもこの方々の演出とプランなしでは生まれません。

ジョン・ウーユエン・ウーピンなどこの立場の人が映画監督になるケースもありますよね。

2015年のノミネート作品

キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー

ジョン・ウィック

アメイジング・スパイダーマン2

X-MEN: フューチャー&パスト

受賞は「キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー」のコーディネーターで、現場の俳優の安全を最優先としたアクションシーンの構築が高く評価されました。

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世界スタント賞の魅力は?

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賞の部門や受賞対象などなんとなく掴んでいただいたところで、ここからは私のおすすめポイントをご紹介します。

主演俳優がプレゼンする形式

通常各映画祭では出演した俳優たちが主役です。レッドカーペットもしかり。

しかし、この世界スタント賞だけはスタントパフォーマーが中心になり、俳優たちが脇役に徹します。

スピーチも同様で、主演俳優の紹介で登壇する姿が新鮮でもあり、チームワークの大切さを象徴しており、私が大好きなポイントのひとつです。

普段おもてに立つことに慣れてないパフォーマー達の初々しさや、現場のエピソードを聞くと映画の裏舞台に隠れた心動かすドラマが楽しめます。

授賞式がとにかく派手

数年前に日本でも少し話題になりましたが、とにかく授賞式の演出がド派手なのも魅力のひとつ。

炎に包まれながら登場するなど、さすがスタントパフォーマーの祭典といえる式典も見応えがあります。

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世界スタント賞の最大の意義

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私たちが楽しんでいる映画の影には、俳優の演技を支えるスタントパフォーマーの人たちの存在があります。

不幸にも撮影中に亡くなってしまうこともありますよね。最近ではデッドプール2の撮影中にスタントウーマンが亡くなる事故がありました。

『デッドプール2』撮影現場で死亡事故…バイクスタント中 – シネマトゥデイ

そのままでは埋もれてしまいがちな存在ですが、世界規模の賞を設けることによりスポットを当てることになり、功績を称えることができることがこの賞の最大の意義になっています。

普段は背中しか映らないスタントパフォーマーに少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。

Homepage – Stunt Awards

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