2018/11/25

日本語のひらがなを勉強するうえで苦戦する点と丸の歴史をご紹介

ひらがなの濁点と半濁点の歴史

考える女性

日本語を勉強中の人「ひらがなを勉強していますが、【゛】(てんてん)や【゜】(まる)の違いがどうしても覚えられません。」

確かに濁点や半濁点は難しいですよね。であれば、今回は少し気分をかえてそれらの記号がいつ、何のためにできたのかお教えしましょう!

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濁音(だくおん)の由来

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ひらがなは「゛」をつけることで、読み方が変わります。この点のことを濁点(だくてん)、濁点がついたものを濁音(だくおん)といいます。また濁音に対して、濁点がついていない状態のひらがなを清音(せいおん)と呼びます。

例)か(Ka)→が(Ga)、と(To)→ど(Do)

ではこの濁音はどのようにして生まれたのか、ご説明します。

ひらがな作成時に新たな問題が発生

ひらがなは万葉仮名と呼ばれる漢字がもとになっているということは、以前お話しましたよね。その後、戯書というおかしな遊びがはやってしまいそこから新しい文字をつくろうとする動きが出はじめたのでした。

知れば日本語がもっと楽しくなる漢字から生まれたひらがなとカタカナの歴史

しかしそこで問題になったのが、可と我の区別です。漢字であれば簡単に区別できたものがひらがなでは非常に難しくなってしまったわけです。

文脈で判断しようということに

「柿(かき)」を「かき」、「鍵(かぎ)」も「かき」と表記してしまうと混乱するのではないかと心配する声もあがりますが、濁音も区別してしまうとひらがなが全部で50音から70音に増えてしまうこともあり、あえて区別せず読み手が文脈から判断すればいいという見解で落ち着きます。

まぁ、確かに増えると面倒ですし、そもそも日本語には「柿(かき)」と「牡蠣(かき)」のようにひらがなにしてしまうと音だけでは区別がつかなくなる同音意義語がありますからね。文脈判断で何とかなるだろうと考えたのかもしれません。

ちなみに古文で習う文章が清音のみのものがほとんどなのは、この頃の名残りなんですよ。

再び大混乱

書き分けないことで一時は進みますが、その後文脈では判断できないものや音によって全く別に意味になってしまうパターンが出てきてしまい、再び混乱してしまいます。

例)「いととひかたき」→「いと問い難き(聞きにくい)」か「いとど干難き(乾きにくい)」の2つの解釈があり区別がつかなくなります。

解決策の糸口は声点(しょうてん)

やはりこれは何とかして区別しないといけないことになり、濁音には「゛」が用いられるようになるわけですが、そのきっかけとなったのは僧が仏典を読む際に使用していた声点(しょうてん)でした。

ちなみに声点(しょうてん)とは、アクセントの違いを区別するために漢字やカタカナの周りに赤点をいれる手法のことです。仏教の世界では既に点をふたつ重ねた際は濁った読み方をするという表記があったわけなんです。

この手法をひらがなにも応用すると瞬く間に広がっていき、現在では日本語になくてならないものになったわけなんです。

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半濁音(はんだくおん)の由来

「ぱぴぷぺぽ」のようにひらがなに小さい丸のことをそのまま「まる」とも呼びますが、半濁点(はんだくてん)といい、主には行に使用します。

例)は(Ha)→ぱ(Pa)、ひ(Hi)→ぴ(Pi)

この半濁音も長い間文脈判断とされ、区別されてなかった表記の1つでした。いつまでかというと16世紀、すなわち安土桃山時代までです。

疑問に思ったのは意外な人物

それまで何の違和感もなく半濁音を文脈判断としていた日本人に対して、区別する必要性を見出し半濁点を生み出したのは、意外にもキリスト教の布教活動のために日本にきていたポルトガル人宣教師たちでした。

日本語の勉強のために作成した教科書がきっかけ

布教活動はまずその国の言葉を理解していくことから始まります。そのため、宣教師たちは日本語の教科書の作成を始めます。そこでポルトガル人が頭を抱えたのが、以下のようなパターンの区別です。

例)「はれ」は「Hare」なのに「あっはれ」は「Appare」と読み分けていること。

これは日本語をこれから学ぼうとする人にやさしくなかったわけです。それを何とかしようと考えていたら、既にある業種の人たちが独特の記号を使っていることに着目します。

鋳型屋(いかたや)の表記

例えば、鉄製の急須を作ろうと思ったら型(かた)に熱々の鉄を流し込んで作成しますよね。その型(かた)を鋳型(いかた)、それを作る職人を鋳型屋(いかたや)といいます。

そんな鋳型屋さんですが、看板などに書く際に「いかだ」と勘違いされないように「いかた゜」と書いて区別していました。つまり、「うちはいかだやじゃないよ」という意味で「いかた゜」と表記してたわけです。これが半濁音に応用されていきます。

また江戸時代には、「つぁ」を「さ゜」「ちぇ」を「せ゜」と表記する技法もあったんですよ。

おまけ:鼻濁音(びだくおん)にも「゜」を使います。

少し余談ですが、鼻濁音という種類の発音方法が日本にはあります。いわゆる「か」を「Ka」と発音するではなく、少し鼻にかけた感じの「んか」と発音するものです。これを表現するのにも半濁点は使われ、か行にのみ使用します。

例)か゜き゜く゜け゜こ゜

しかし、これは義務教育で習うことではなく鼻濁音も実生活では使わなくなりました。今では古い文献を読むために使用することがほとんどですね。

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歴史からはいると覚えることも

今回はひらがな表記に使われる「゛」と「゜」の歴史についてお伝えしましたが、いかがでしったか?

日本語にかぎらず勉強が難しい場合は、それが普及した歴史や背景からはいるとすーっと頭にはいってくるケースもありますので、役立てていただければ嬉しいです。

では、また!

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